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ギムネマ

ダイエットするとき、甘いものや脂っこいものなど、高カロリー食品を控える人は多いでしょう。
でも、[食べたい欲求]と[痩せたい欲求]をコントロールするのは簡単なようでいて中々難しいものです。
そんなときには、糖分や脂肪分が体に吸収されて
体脂肪として蓄積される前にカロリーカットする方向で対処しましょう。
カロリーカット系の健康食品や栄養補助食品(サプリメント)は多数あります。
グァバ、バナバ、ガルシニア、キチンキトサン、パパイヤ、...。
今回はギムネマを紹介しましょう。

ギムネマは甘さを感じなくなる不思議なハーブ
ギムネマは、ガガイモ科(Asclepiadaceae)に属する多年性のつる性植物で、
学術名はギムネマ・シルベスタ(Gymnema sylvestre)と言います。
ギムネマの原産地はインドで、インド南部を中心に、インドネシア、ベトナム、
中国南西部、台湾など熱帯から亜熱帯地方にかけて広く自生しており、
岩の多い丘陵地の樹木にからみつくように生えています。
ギムネマは、ヒンドゥ語ではGurhmar,Medhasingi、タミール語ではShirukuriy、
サンスクリット語ではMeshashringi,Meshashiringiと呼ばれています。
何れの言葉も、「砂糖を壊すもの」という意味を持っています。

ギムネマの葉は、十分に成長してから採取し、乾燥させて使用します。
ギムネマの葉数枚を1〜2分間程度噛んで吐き出した後、
砂糖をなめても甘さを感じなくなり、再び甘さを感じるようになるまでには1時間以上かかります。
この効果は、舌をよく水で洗い流しても、数十分持続します。
塩味や酸味など他の味覚は変わらず、甘味の味覚だけが麻痺するのです。
このため、古代インドの人々はギムネマが砂糖を壊すと考えていました。
インドのアユールベーダでは、古来より、ギムネマ(の生葉)が糖尿病予防、
また強壮を目的とした民間薬として使用され、また中国においても、
ギムネマは乳腺炎や外傷、腫れ物などの治療に使用されてきました。

ギムネマは、主に次のような作用が期待されています。
糖尿病を予防する、血糖値の上昇を抑制する
肥満を予防する
便通を改善する
虫歯を予防する



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ギムネマ酸が甘さをブロックする

ギムネマの主成分はギムネマ酸(gymnemic acid)です。
ギムネマ酸は、1887年、イギリスのフーパー(D.Hooper)によって命名され、
その化学構造は、1967年、ドイツのシュテックリン(W. Stocklin)らによって決定されました。
ギムネマ酸の基本骨格はトリテルペンからなり、この骨格にはD-グルクロン酸や数種類の脂肪酸が結合しています。
またギムネマ酸には、結合している脂肪酸の数や種類によって異なる分子構造を持った物質が4種類存在します。
横浜国大の栗原良枝教授(故)は、この4種類のギムネマ酸の構造と甘味抑制作用の強さとの関係を調べ、
人間の甘味感受性を最も強く抑制する物質をギムネマ酸A1(gymnemic acid A1)と名付けました。
舌に味覚の受容、識別機能として約400個の茸状乳頭(fungiform papillae)があります。
ここに甘味を識別する受容タンパク質(甘味受容体)が存在します。
ギムネマ酸が甘味だけを抑制するのは、D-グルクロン酸がブドウ糖の構造に似ており、
ギムネマ酸が甘味受容体に強力に結合し、一時的に甘味受容体をふさいでしまうため、
砂糖など他の甘味物質があっても甘味を感じなくなるとと考えられています。
しかし、その作用メカニズムは未だ解明されていません。
このギムネマ酸の働きは、甘味を持つ食品に対して食欲が減退する効果があります。
このように味覚受容体にはたらいて一時的に味覚機能を変える物質を味覚修飾物質(taste-modifier)と呼びます。
ギムネマと同様に味覚を阻害する物質としては、ナツメの葉に含まれているジジフィン(Zizyphus jujuba)、
ケンポナシの葉に含まれているホタロシド(Hovenia dulcus)などが挙げられます。

ギムネマ酸はブドウ糖の吸収もブロックする
ギムネマを摂取した後、数時間に渡って腸管からのブドウ糖(グルコース)の吸収を抑制することも明らかにされています。
食事で摂取された糖質(炭水化物)は、唾液中のアミラーゼ酵素によって麦芽糖に分解され、
小腸のαグルコシターゼ酵素によってブドウ糖に分解されます。
通常、糖質が血液中に吸収されると血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇します。
これに応じて、インスリンが瞬時に膵臓から必要な量だけ分泌されます。
このインスリンによってブドウ糖は筋肉細胞や脂肪組織に取り込まれ、血糖値が下がります。
ギムネマ酸にはαグルコシターゼの働きを阻害する働きがあります。
このため、麦芽等はブドウ糖に分解されにくくなります。ブドウ糖に分解されない麦芽糖は小腸で吸収されません。
この結果、ブドウ糖の小腸での吸収率が下がります。
ブドウ糖の小腸での吸収率が下がれば、血糖値の上昇が抑制され、延いてはインスリンの過剰分泌も抑制されます。
1920年、インドに赴任した2人のヨーロッパ人医師が、ギムネマの乾燥葉粉末を糖尿病患者に3ヶ月間服用させたところ、
血糖値が平常に改善する諸例を得ていました。また、ラットを用いた動物実験でも同様の結果が得られています。
正常なラットでも、糖尿病を発症したラットでも、ギムネマ投与によって、
血糖値の上昇とインスリンの分泌が抑制されたことが報告されています。

ほかにも!ギムネマに期待される作用
ギムネマには、ほかにも、脂肪酸についても吸収抑制作用があります。
糖質、脂肪酸の吸収が抑制されることで、肥満や生活習慣病の予防効果が期待できます。
また、小腸で吸収されなかったブドウ糖は大腸に達すると善玉菌の栄養となります。
善玉菌の増加によって腸内環境が整えられるので、便秘の予防効果も期待できます。
また、糖分の吸収抑制によって虫歯菌の持つ酵素の活性を阻害するので、虫歯の予防効果も期待できるでしょう。

ほかにも!ギムネマに期待される作用
高血糖、高血圧、糖尿病、肥満などは生活習慣病です。
これらを予防するには先ず何よりも、食生活や運動、喫煙習慣や飲酒、
ストレスなどの生活習慣を改善することが先決であり重要です。
ギムネマは医薬品ではなく、ましてや特効薬でもありません。
ギムネマは、ダイエットに効果的とも考えられていますが、言うまでもなく[痩せる]薬でもありません。
ギムネマは健康食品あるいは栄養補助食品です。
生活習慣を見直した上で、ギムネマを補助的に利用するとよいでしょう。
血糖値の上昇を抑制する作用を期待するのであれば、食前30分にギムネマを摂取すると、最も効果的です。
ただし、ギムネマは、甘味の味覚を麻痺させるので、食事を美味しく感じなくなる可能性があります。
これを逆手にとれば、甘いものへの食欲を減退させる効果を期待できます。

ギムネマ配合のサプリメントや飴、ギムネマ茶などが市販されています。
普段から緑茶(日本茶)を飲む習慣があれば、緑茶の代わりにギムネマ茶を飲むとよいでしょう。
ギムネマ茶はティーパックタイプと茶葉タイプがあり、ティーパックタイプが便利でしょう。
緑茶を飲む習慣がなければ、サプリメントがおすすめです。
ギムネマの1日目安量は定められていません。サプリメントなどの製品表示を確認してから利用しましょう。
ギムネマを服用を開始した後、おなかが張った感じになったり、
おならが出やすくなったりするなどの胃腸症状が現れることがあります。
この症状は、大抵の場合、一ヶ月程度で消失します。
一般的には特に問題となるような重篤な健康被害や副作用は報告されていません。
ギムネマには鉄分の吸収を阻害するタンニンも含まれています。
サプリメントを選ぶ際にはタンニンが除去されている製品を選ぶとよいでしょう。
なお、ギムネマには利尿作用や覚醒作用のあるカフェインは含まれていません。
現在糖尿病を治療中である場合には、ギムネマの影響によって医薬品の必要量が変化することもありえます。
また、血糖降下剤とギムネマを併用すると低血糖を起こす恐れがあります。
必ずかかりつけの医師に相談した上で利用しましょう。

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